横浜嚥下研究会

脳卒中における嚥下障害追跡

本日は嚥下障害と脳卒中について書かれたstudyをご紹介します。MCAが嚥下障害と関係していると述べられていますね。随意的嚥下中枢と考えられている島、弁蓋部周囲の灌流を意味しているのでしょうか。海外のスクリーニングに(例えばMASA)失語の項目が入っているのは何故なんだろうと思っていましたが、これで納得がいきました。

title
Dysphagia following Stroke.

タイトル
『脳卒中における嚥下障害追跡』

【要旨】
背景
嚥下障害は、脳卒中発症後の一般的な所見である。我々は、脳卒中発症後の最初の3ヵ月間で嚥下障害(臨床的な評価を用いて)の予後予測を行うと共に、神経血管性、解剖学的部位が嚥下機能障害とどのように関係していたかを検討した。

方法
急性脳卒中を初めて発症した患者を連続的に前向き調査した。嚥下評価は、臨床で標準化された方法を使用している。急性脳卒中の原因となる動脈領域の同定は、CT/MRIで決定した。すべての患者は、3ヵ月間追跡している。

結果
406例中のうち34.7%(141例)は、嚥下障害を呈した。嚥下障害は、脳出血(31/63対110/343; p = 0.01)患者でより頻度が高かった。脳梗塞患者においては、全体的に中大脳動脈領域が嚥下障害(28.2対2.2%; p < 0.0001)と関係していた。多変量解析では、脳卒中死亡率と能力障害が嚥下障害(p < 0.0001)をそれぞれに伴うことが分かった。

結論
脳卒中を発症すると、嚥下障害の頻度は比較的高かった。解剖学的臨床相関として最も重要な因子は、病変の位置よりもむしろ大きさであった。90日間の臨床的な嚥下評価は、死亡と能力障害を予測する有意な変数であった。

Paciaroni MMazzotta GCorea FCaso VVenti MMilia PSilvestrelli GPalmerini FParnetti LGallai V
Stroke Unit, Department of Neuroscience, University of Perugia, Perugia, Italy. mpaciaroni@libero.it

European Neurology [2004, 51(3):162-167]
Type: Journal Article, Comparative Study 
リンクhttp://europepmc.org/abstract/med/15073441

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