横浜嚥下研究会は、神奈川県内で活動する医師、歯科医師、
言語聴覚士、管理栄養士、看護師、企業開発者の有志で作られた会です。
嚥下障害の正しい知識の普及を図るために多職種を対象とした、
通年講座、横浜嚥下研究会、市民公開講座等を主催し、
神奈川県横浜市で定期的に開催しています。
横浜嚥下研究会の代表を務めています、
耳鼻咽喉科の西山耕一郎と申します。
この度は当会のホームページを閲覧して
頂き誠にありがとうございます。
耳鼻咽喉科医として、嚥下障害を振り返ると様々な記憶が蘇ります。近年は素晴らしい教科書が多く出版されていますが、私の研修医時代は嚥下障害のことは上級医からしか学べませんでした。今でこそ、嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査といった専門的な検査がありますが、当時は食道透視検査や喉頭内視鏡検査と呼ばれていた時代です。知識も経験も無い若者が、先輩から口伝えに習ったことだけを頼りに臨床をしていた訳です。当然、誤嚥が起きますし、酷いと肺炎にも発展します。その中で何がいけなかったのかを自分なりに考えてみましたが、当時は答えが見つからなかったことを思い出します。しかし、年月が経つにつれて嚥下障害の世界もだいぶ情報が整理されるようになってきました。その中でも代償法の飛躍は目まぐるしく、姿勢、食事形態、嚥下法、手術等は誰もが知る手段となりました。こういった手段が伸びたのは、医師だけのチカラではありません。ST、管理栄養士、看護師をはじめとする、他職種の功績であることは疑いようの無い事実です。しかしながら、これだけ情報が整理されても医療介護現場では誤った知識、勝手な先入観で臨床を行なっていることが散見されます。正直なところ、生命に関わる領域を誤った知識・感性で進めることに危惧をしました。やはりキチンとした知識、経験を持った人が少ないのだと思います。
嚥下障害は全身病ですから、医師がいくら頑張っても暖簾に腕押しとなります。
各専門家が協働しないと経口摂取には結び付きません。
そのジレンマを11年前にSTの金井さん(2019〜ST県士会会長)等に声をかけ、設立したのが当会になります。
少しずつ仲間が増え、今は医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、ST、元企業研究員で成り立っています。
各自が全国で活躍するスペシャリストなので、安心して仕事を任せられる一方、私の出番が少しずつ減って来たように思えます。
こういった喜びの悲鳴も一昔前は無かったわけですから、贅沢な悩みかもしれません。
最後になりますが、私ども横浜嚥下研究会は、医療介護従事者に向けて、嚥下障害の正しい知識、技術をお伝えすることを柱にしています。
上述の通り、多職種主体の会になっていますので様々な職種の方のニーズに対応出来ると思われます。
また、一般の方々にもわかりやすい嚥下障害の知識を提供して参ります。
そして常に自分の家族であったらどうする?という人としての視点を忘れないようにお伝えしていきます。
今後も皆様にとって有益となるような情報を発信していく所存でございますので末永く見守って頂けたら幸いです。