横浜嚥下研究会

教えて ティーチャー 第4回「外科的治療法」の1

このコーナーは、当会のナースが、日々の臨床の中で湧き上がる嚥下にまつわる「あれ?なんかおかしくない?」といった違和感を各専門分野で活躍されている講師の先生方、当会の世話人にざっくばらんに質問するコーナーです。

担当者紹介

ナースみわ

急性期病棟勤務中にNSTリンクナースに任命されたことをきっかけに嚥下に興味を持ち、受講料の安さと講義の抄録に惹かれて受講したこの会で、いつの間にか世話人に。
ジャニーズと2人の孫をめでることが幸せな訪問看護ナース。


ナースなおみ

一度会った人の名前と顔を忘れない。巧みな話術と呑みニュケーション力で、どえらい先生方ともすぐに以前からの知り合いのように打ち解ける回復期リハビリテーション病棟協会認定看護師の資格ももつナース。最近の趣味は毎日ジムで韓流ドラマを見ながら鍛えている。3人の子とゴスペルを愛する肝っ玉母ちゃん。


つばめ太郎

当会のホームページ開設にあたり、公募の中から生まれた、このコーナーのマスコットキャラ。南の国から横浜に住み着いたちょっとグルメなつばめくん。


第4回:教えて 「外科的治療法」の1

今回からティーチャーは、耳鼻咽喉科医師の西山耕一郎先生です。西山耳鼻咽喉科医院の院長で、横浜市南区で耳鼻咽喉科開業医としての日常臨床に加え、嚥下障害の正しい知識の普及に力を入れており、各学会で嚥下障害の臨床研究や症例報告を積極的に発表されています。
さらに、一般市民向けの書籍の出版やテレビ出演も数多く、嚥下障害の啓蒙活動にも力を入れております。

2011年より横浜嚥下研究会の代表を務めております。横浜嚥下研究会の会長挨拶をご参照下さい。

お久しぶり~。

お久しぶり〜。最近、会えなかったからねぇ。

どこもね、このご時世だから、ただでさえ忙しい上にね。更に人手がねぇ。減っちゃって。

訪問看護って人が休んでもリリーフ的な隣の病棟からのお手伝いなんて来ないんでしょ。

うん。出勤してるナースで代わりに訪問いくのよ。

そっかぁ。じゃあ普段行った事ないとこも行くのか。

そうなのよ。
あ!そういえばさ、この前代行訪問行った時に驚いた事があって。

なになに?

気管切開している利用者さんでね。息子さんが介護しているんだけど。いつも行っている担当ナースが、嚥下のチームに入っている人がいるって言ったらしくて。

うんうん。

色々聞かれたのよ。まぁ、この会の事も話す感じになって。一緒にやってる先生誰って聞かれたのよ。

なかなか、ツッコんでくるね。

うん。ビックリするくらい聞かれて。西山先生だって教えたら…

教えたの?

そう。そしたら、なんと!その利用者さんの声門閉鎖術※したのが、西山先生だったのよ!

※『引用:声門閉鎖術を開発された大原綜合病院鹿野真人先生の「IT情報ふくしま」インタビュー記事のリンク先』(大原綜合病院病院HPの耳鼻咽喉科・頭頸部外科のご案内ページ内に当該リンクが掲載中)

えぇ?すごい偶然。世間は狭いねぇ。

当時、なかなか声門閉鎖術してくれる病院が無かったんだって。だから、御礼を言ってほしいって言われたのよ。

なんか、目頭熱くなってきた。詳しく声門閉鎖術のこと聞いてみたいな。

はい!聞いてましたよ。お二人さん!

おわっ!ビックリしすぎて涙が引っ込んだ。

感動したので、自分、西山先生、呼んできましたよ。

早っ!じゃあ、いつもの合言葉いきますか~いきましょう!せーの
教えて てぃーちゃー!

はい、はい、西山です。なんか突然ツバメ太郎に、連れてこられたよ。

こんばんは〜

はい、こんばんは。ツバメ太郎から道すがら聞きましたよ。はい、覚えてますよ。すごい偶然だね。

ご家族がとっても喜ばれていたんですよ。アクティブに外出して、お寿司屋さんでマグロ食べたりしてるんですって。好きなものをおいしく食べれてるそうですよ。

そうなの?それ聞けて嬉しいね。神経難病は緩やかに進行するからね。痰の量が増えて吸引の回数が増えると、患者さんはもちろんご家族も夜も眠れなくなって疲弊しちゃうんだよね。だから手術が必要なんだよ。

どんなことするんですか?

声帯と声帯を縫い合わせてブロックするんだよ。誤嚥防止術の中で喉頭全摘出術より侵襲が少なくてリークも少ないんだよ。

それって外来でできるんですか?

いやいや、できないよ。これはマンパワーもいるし、緊急時の対応ができるところでないとね。だから大きな病院でするんだよ。大学病院で手術するのは後輩育成の目的もあるんだよ。それに脳卒中の患者さんがリハビリを必要とするように、手術をした嚥下障害の患者さんにもしっかりとリハビリが必要だから入院した方がいいんだよね。その後の多職種連携がうまくいかないと、手術が成功してもダメなんだよ。

そっかー、そういうことなんですね。やっぱり大事なのは多職種連携になるんですね。

その多職種連携がちゃんとできていたからこそ、その利用者さんは好きなお寿司が食べれるようになったんだね。なんか幸せな気分になるね。

おふたりさんが幸せ気分に浸っている時に失礼いたしやす。

えー、まだ聞きたいことがあるのに。

西山先生は人気者だから、この後取材があるから、ケツカッチンでお願いしやす。

そうだ、あのコラーゲンの話も聞きたかったのにな。

そうだ、私も聞きたかったよー。私もコラーゲン入れて欲しい!!

はい、はい、はい。今日はおしまい。次回に続く!!

えー、まだ続くのー?

(記事担当:看護師チーム上野美和、山本奈緒美)

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