教えて ティーチャー 第1回「とろみ」の1
このコーナーは、当会のナースが、日々の臨床の中で湧き上がる嚥下にまつわる「あれ?なんかおかしくない?」といった違和感を各専門分野で活躍されている講師の先生方、当会の世話人にざっくばらんに質問するコーナーです。
担当者紹介
ナースみわ
急性期病棟勤務中にNSTリンクナースに任命されたことをきっかけに嚥下に興味を持ち、受講料の安さと講義の抄録に惹かれて受講したこの会で、いつの間にか世話人に。
ジャニーズと2人の孫をめでることが幸せな訪問看護ナース。
ナースなおみ
一度会った人の名前と顔を忘れない。巧みな話術と呑みニュケーション力で、どえらい先生方ともすぐに以前からの知り合いのように打ち解ける回復期リハビリテーション病棟協会認定看護師の資格ももつナース。最近の趣味は毎日ジムで韓流ドラマを見ながら鍛えている。3人の子とゴスペルを愛する肝っ玉母ちゃん。
つばめ太郎
当会のホームページ開設にあたり、公募の中から生まれた、このコーナーのマスコットキャラ。
南の国から横浜に住み着いたちょっとグルメなつばめくん。
第1回:教えて 「とろみ」 (「水分とろみ」について)
今回のティーチャーは、桑原昌巳先生です。 定年まで某有名企業で嚥下食の研究・開発者として活躍。日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士資格をもつ。個性豊かなこの会をまとめてくれる事務局長。
ねえねえ「とろみ」って病棟でつけることある?
看護師や助手さんもつけてるよ。なんで?
退院したばかりの利用者さんの家族から、どうしてもうまく「とろみ茶」が作れないって相談があってね。ダマができてうまく混ぜられないんだって。
退院の時に指導されなかったのかな。
教えてはもらったみたいなんだけど、指導したのは新人ナースだったみたいで。質問したら、YouTube見てって言われたんだって。
あー
高齢のご夫婦で、子供さんがいないから、YouTubeって言われてもわからないって。病院で買って帰るように言われた「とろみ剤」出してきたから、指導してきたんだけどね。ステーションに戻ってきてから若いスタッフに聞いてみたんだけど、実は「とろみ剤」の使い方、よくわからないまま、ただグルグル回して作ってたって聞いて。病棟だとどうなんだろうって思って。
そういうことね。私たちも、復習を兼ねて改めて手技と知識を確認してみましょうか。
そうだね、そうしたらその道のプロに伺いましょう!
呼ばれました。今回のティーチャーを務めさせていただきます桑原です。
動画を持ってきましたからご覧ください。
動画
解説
- ダマができる原因は「とろみ剤」の表面だけが水分で濡れることで固まってしまう為ですので、攪拌しているところに「とろみ剤」を投入すると固まりにくいので良いです。
- 攪拌するときのスプーンの動かし方は、一般的な「回転」よりも「往復運動」の方が、液体が激しく動いて溶解しやすい為にお勧めです。
- 動画の説明:「回転」と「往復運動」の実験動画です。ゆっくりとした「回転」ではダマができましたが、「往復運動」ではダマはできませんでした。
- 参考情報:「とろみ剤」の各メーカーさんは、使用方法や溶解の仕方等の情報をHPの商品紹介ページに記載しておりますので、現在お使いの「とろみ剤」メーカーさんのHPをチェックしてみてください。一例として、当会の協力企業の「クリニコ」さんの商品ページのリンクをご紹介いたします。
あーなるほど!YouTubeよりわかりやすくていいですね。
でもさー、「とろみ茶」ってまずいってみんな飲まないよね。
そうそう、「とろみ茶」苦手な人が多いよね。
はい、おふたりさん!
誰??
つばめ太郎と申します。おふたりさんの軽快なトークだと話が終わらないのでわたくしがお手伝いに参りました。以後お見知りおきを。
じゃあ、次回は「とろみ茶」を美味しくするコツを引き続き桑原先生にお聞きしましょう!
次回に続くのね。(笑)
(記事担当:看護師チーム上野美和、山本奈緒美)