急性期病院のリハビリは充実出来ないのか?
第4回横浜お口のトラブルのみこみ勉強会で会場参加者から頂いた質問に回答させて頂きます。
急性期病院から退してくると全てのADLの低下が大きい。
入院日数を短くしないと病院経営が 成り立たないのはよくわかるが家族の介護の大変さをもう少し考えて入院中のリハを増やしてほしい。
(自分自身も要介護5の母の介護経験から思ったことです。)
入院日数を短くしないと病院経営が 成り立たないのはよくわかるが家族の介護の大変さをもう少し考えて入院中のリハを増やしてほしい。
(自分自身も要介護5の母の介護経験から思ったことです。)
ADL低下、リハ治療目的に急性期病院での入院期間を延ばすことは厚労省の方針からみて困難な課題です。
現在はこの機能は、回復期リハビリテーション病院への早期の転院が唯一の答えとなっています。
現在はこの機能は、回復期リハビリテーション病院への早期の転院が唯一の答えとなっています。
しかし、回復期リハビリテーション病院の入院には、病名などによる縛りがあり、全ての患者さんが転院できるものではないことも事実です。
そういった場合には急性期病院で、できるだけのリハビリテーション治療を行う事が求められる訳です。
急性期の病院で十分なリハビリテーション治療が行われない理由には、健康保険の審査機関による査定の問題があります。
厚労省は1日最大9単位のリハビリテーション治療が可能とし、急性期のリハビリテーション治療の充実を求めていますが、都道府県の健康保険の審査機関(国保)、あるい組合健保の審査機関ではこの方針に反して、急性期病院のリハビリテーション実施を抑え込むような査定が行われているというのが実情です。
そのため、急性期総合病院は、適切なリハビリテーションスタッフ人数を配置して、十分なリハビリテーション治療を行うということに対して、基本的に消極的となっています。
神奈川県では、1日9単位を実施している急性期病院は皆無と思います。せいぜい1日3単位程度以下の実施となっていると推測します。
健康保険の審査というのは本来きちんとした基準があり、それに基づいて過剰な医療行為の抑制を図るものなのですが、リハビリに関しては基準が特になく、審査委員の適当な判断というか、都合によって、必要だから実施したリハビリ治療の医療点数が、ばっさりと査定されてしまうという事が多いのです。
これに病院が抗議しても、なにも変わらず、逆に目をつけられてしまうというのが、残念な現実です。
本文執筆:鎌倉リハビリテーション聖テレジア病院長 足立徹也