歯がしっかりしている嚥下障害患者の評価指導
H.26.4.26に行われたプレイバックセミナーで会場参加者の管理栄養士さんから頂いた質問に回答させて頂きます。
質問してくれた管理栄養士さん遅くなってゴメンなさい。
ただ、歯がしっかりしていても嚥下障害がある症例って結構いますよね。
評価指導は普段行われていることで問題ありません。
歯があろうと評価項目は変わらないからです。
義歯の場合は使用の有無で嚥下が変わることを経験しますので両方の確認を行ってください目指導は歯があるので、口腔ケアをしっかりすること、虫歯や歯周病があれば歯科受診することをお勧めください。
誤嚥性肺炎の予防に重要な一つです。
仮に塊肉を食べたいのなら歯牙がしっかり揃っていること、指示に従える認知機能が保たれていることが絶対条件。
そこに口腔内保持能、咀嚼能の評価を行っていきます。
いかに砕いて口腔内でペースト状に出来るかを評価してください。
評価場面の指示は、
①砕くまで飲んではいけない
②下を向きながら咀嚼
③飲んでも大丈夫だと思ったら評価者に口腔内の食塊を確認してもらう
④問題なければ嚥下、ダメなら出す
ただし、咀嚼時間の延長は唾液と混ざり合い、ややサラサラな食塊になりますので誤嚥リスクがあることを忘れてはいけません。
また経験上、健常者においてVFで固形物10cc程度の咀嚼を観察すると20-30回で嚥下に繋がっているのがほとんどです。
このとき口腔内の食塊が1cm×1cm×1cm以上の状態で残っているようなら窒息リスクがあります(声門は大人の小指の爪ほどですから閉塞は起こり得る話です)。
基本的に塊肉は評価場面でも窒息のリスクがありますのでオススメはしません。
QOLを優先するか安全を優先するかは人それぞれです。患者さん本人、御家族、主治医、関係するスタッフみんなで話し合って納得する答えを導いてください。
文責:新戸塚病院 リハ科ST 粉川将治