横浜嚥下研究会

VF、VEが出来ない方への評価(在宅にて)

第4回横浜お口のトラブルのみこみ勉強会にて会場参加者から頂いた質問に回答させて頂きます。

VF、VEが実施できない方への在宅評価についての質問です。常に誤嚥性肺炎のリスクと隣り合わせの状態で評価を行うべきか迷うことがあります
どうしても行える環境にない場合の対応ですが・・・・・・・

誤嚥を防ぐ嚥下運動の為には、喉頭の上前方への運動(上方へ20~30mm)と、咽頭がマヨネーズを絞るように収縮し、食道入口部が開大することが、タイミング良く順番に0.8秒以内に行われるとが必要です。

喉頭の上前方運動の診断は、頸部を見て、のど仏(喉頭隆起)がタイミング良く0.8秒以内に、20~30mm、上下運動を出来るかどうかを見れば、ある程度は診断可能です。

嚥下時に頸部を観察すると、咽頭収縮不全を診断出来る場合もあります。頸部を触診し、甲状軟骨を左右に動かして食道入口部の開大不全を疑える場合も希にあります。

液体等を飲ませた後に、発声させて湿性嗄声に変化していれば声帯上に液体があり誤嚥している可能性が高いですし、呼吸音がゴロゴロしたら気管内に誤嚥した可能性が高いと判断できます。

食後に痰が増える症状も、誤嚥を強く疑います。

以上の点を観察し、誤嚥を疑った場合には、嚥下造影検査(VF)と嚥下内視鏡検査(VE)を可能な限り行う努力をすべきと考えます。基本的には、嚥下機能評価と病態診断には嚥下造影検査(VF)と嚥下内視鏡検査(VE)は、不可欠です。

しかしながらただVFやVEを行い、誤嚥が有るか無いかしか判定していないのであれば、検査した意味は無いです。

本文執筆:西山耳鼻咽喉科医院 西山耕一郎

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