横浜嚥下研究会

嚥下臨床における医師とスタッフの相違

病院でSTをやっています。脳梗塞急性期の頭部MRI所見だけで、脳外科と神経内科医師は『もう全てを口から食べることは難しい。口から入るのはおやつ程度でしょう』と家族へ説明しています。しかし、ベッドサイド評価では嚥下障害はあっても軽度という印象です。
私はDr.にモノを言えるほどの経験も知識もないです。どうしたらいいのでしょうか?
.嚥下障害臨床において、主治医とメディカルスタッフの判断が折り合わないことはよくある話です。大事なのは患者さん利益なので、スタッフ側の判断が正しいならばそちらを優先するべきです。
ただし、大事なのはそれを推すだけの根拠があるか?ということです。

脳梗塞の画像をみた訳ではないので詳しくは言えませんが、その医師は根拠をもって経口3食をするには厳しい脳の状態だと判断した訳ですよね。

要はそれを上回る根拠があれば、経口訓練を積極的に進められるハズです。

しかし、ベッドサイド評価では全てのsilent aspirationを見抜くことは出来ないので、あなたが良い嚥下と思っていても実際には誤嚥していることがある訳です。 それで肺炎になったら責任の所在は誰になるのでしょう?逆に言えば、医師の判断で食べられる人を胃瘻にしてしまうケースもあるわけです。

そういったことを踏まえるとVFやVEといった画像に頼らざるを得ない現実があります。画像が全てではないですが、客観的に見て何かしらの根拠が見つかればあとはDr.との話し合いですね。

ただし、どんなに強い根拠があろうと最終的には主治医の判断であることを忘れないで下さい。必ず主治医を立てましょうね。

画像診断が出来ない施設の場合は、感度や特異度の高いスクリーニングを複合させてみましょう。そこに加えて、コンディション(バイタル、採血データ)、呼吸機能と運動機能を含めた喀出能、栄養管理、どの程度自分の施設に居られるかを考慮して歯車を前に進めるのか、そのまま止めておくのか、後退させるのかを考えてみてはいかがでしょうか。

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