横浜嚥下研究会

薬剤性嚥下障害ってありますか?

薬剤性嚥下障害ってありますか?
もちろん存在します。

精神科領域において、先生方がアタマを悩ませる一つが薬剤性嚥下障害です。

メジャートランキライザー(抗精神病薬:以下メジャー)の服用によるものがほとんどです。

要は薬で神経伝導を鈍くさせている訳で、嚥下反射惹起遅延などの咽頭期トラブルが起こり易くなります。

自験例では、高齢者が内科に入院後夜間不穏になり、マイナートランキライザー(精神安定剤)を試されましたが効果がありませんでした。

仕方ないので翌日からメジャーで鎮静をかけたところ、あっという間におとなしくなりました。

しかし、高齢者へのメジャーは少量でも効果が高いようで、食事中ムセが頻回に出現し始め、肺炎になりました。このケースでは、背景に不穏のため転落予防としてbed上体幹抑制があり、今まで歩けた人間を縛ってしまったことで余計喀出が出来なくなったという二重苦的な要素がありました。

メジャーをすぐにやめても効果は抜け切らず、引きずることが多いので臨床観察が重要になってきます。

精神症状を抑えてドロドロにすることが優先なのか、誤嚥を嫌がり、うるさ過ぎて同室者や病棟ナースから怒りを買うのか…主治医はアタマが痛いですね。

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