横浜嚥下研究会

画像と全く合致しない臨床を経験しました

つい最近のお話です。私の無能ぶりを報告致します((((;゚Д゚)))))))

症例は精神科の患者さん(schizo)なのですが、転倒して大腿頚部骨折を負いました。整形外科に転科オペ後、しばらくして誤嚥性肺炎が発症。内科転科し、STへ依頼が来ました。

さてベッドサイド評価では、一般所見、S-SPT、水飲みテスト、フードテストすべてが問題なしでした。運動機能、呼吸機能もチェックしましたが、骨折以外は取り立てて問題はありません。

既往に肺炎があるわけではなく、以前いた精神科病棟に問い合わせても食事中のムセは見られず、現在のlaboも胸部X-Pも悪くないです。しかも評価上嚥下の問題は見当たりません。

これだけ条件が揃えば誤嚥性肺炎の原因は嚥下と考えないのが普通だと思います。それなので、今回の誤嚥性肺炎の原因は、医原性の安静臥床と免疫力低下に、偶然の誤嚥が加わって発症したのだろうと考えました。他の可能性としてはGERD、夜間の不顕性誤嚥が挙げられます。

そもそも食物誤嚥ではないと判断しているのだから食べさせてみるのも手だったのですが、精神科主治医の希望もあってVFを撮ることになりました。

いざ、VFを撮るとベッドサイド評価でみたものが再現されています。やっぱり問題が見られませんむっ翌日より食事を出そうという結論になりました。

いざ食事を開始すると全く別物の症例です
そうです、silent aspirationだったので

画像と臨床の不一致は度々経験しますが、ここまで違うとは…VFにて食材と液体で相当量負荷をかけたのに誤嚥せず。流石に大丈夫だろうと踏み、精神科主治医へ自信満々にグッド!と言った己を悔やみます

翌日よりNG tube管理となり、正体不明のまま後日精神科に戻りました

ハア、これから先がおもいやられます。皆様も画像と臨床の不一致にはお気を付け下さい

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