横浜嚥下研究会

命令嚥下と自由嚥下の違いを教えて下さい

命令嚥下と自由嚥下の違いを教えて下さい
A.命令嚥下=水分の嚥下、自由嚥下=咀嚼嚥下のことを指します。

【命令嚥下と自由嚥下の経緯】

【生理学的モデルと臨床モデル】

一方、よく臨床で用いられる「先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期」の5期モデルですが、これはあくまでも臨床での便宜上使われているものです。嚥下だけでなく、「摂食」を含めているのが特徴的だと思います。元々は脳血管障害による高次脳を想定し、「先行期」という概念を入れたのでしょうが、近年は認知症が増加してしまったので、先行期障害は重要なものになっています。臨床モデルは成書が沢山ありますので割愛させて頂きます。
4期モデルやプロセスモデルは生理学的モデル、5期モデルは臨床モデルなので混同しないようにして下さい。

【臨床における水分嚥下と自由嚥下】

臨床において、drinking(ドリンキング=水分嚥下)をeating(イーティング=自由嚥下)してしまう患者を見かけます。要は水分なのに噛んで飲む訳です。この嚥下をする方たちは認知症に多く、水分を自由嚥下で操作してしまうために、嚥下反射惹起遅延が誘発されてしまいます。一方、eatingをdrinkingで操作する場合もあります。高齢者の一部で散見されますが、ほとんど咀嚼無しで嚥下してしまう訳です。咀嚼嚥下の不全型とでもいいますか、完全型が丸飲みになります。
つまり、drinkingやeatingが上手く出来ないと誤嚥や窒息の原因になると考えられます。

文責:クローバーホスピタル リハビリテーションセンターST粉川将治

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