横浜嚥下研究会

日本摂食嚥下リハビリテーション学会展示で見つけた気になる新商品

2022年9月23日と24日に千葉県の幕張メッセで「日本摂食嚥下リハビリテーション学会第28回学術大会」が開催されました。
コロナ渦の第6波が収まってきた状況で開催された学術大会ですが、幕張の会場に約3000名の皆さんが参加されたとのことで、発表会場の席も7~8割は埋まっているような感じで、多職種の会員が所属して盛り上がりのある学術大会が戻ってきたように感じられました。
事務局桑原は久々に学会の会場に参加いたしましたので、HPの嚥下調整食レシピを作成している当会の栄養チームメンバーと、「教えて ティーチャー」を執筆している看護師チームメンバーと一緒に展示会場を回りました。2019年の新潟開催以来3年ぶりの展示会場で、新たな商品(新商品)を発見いたしましたので、それらの一部を展示会場で見つけた気になる新商品としてご紹介すると共に、当会メンバーによる感想・意見を併せてご紹介させていただきたいと思います。
なお、掲載情報商品のリンク先につきましては、各企業さんのご了承を得ておりますが、掲載情報の選択(新商品とする発売後の経過期間を含む)と、感想・意見は事務局と記事担当者の個人的な意見ですのでご了承下さい。
また、各商品はリニュアル等があり、古い商品情報はHPに掲載することが不適切となる場合がありますので、この記事の掲載は2023年3月末までとさせていただき、その間に追記・更新をする場合があります。

目次

1-食品系

2-デバイス系

<会社名>株式会社クリニコ

<商品名>
つるりんこシュワシュワ

<商品の特徴>

飲み込みにくいと感じる方がおいしく、楽しく炭酸飲料を摂取するためのとろみ調整食品です。

<配布チラシ情報等>

作り方の動画です(期間限定公開

<事務局の感想・意見>

炭酸飲料へのとろみ付けは、2021年日本摂食嚥下リハビリテーション学会で前田圭介先生と戸原玄先生のランチョンセミナーで初めて紹介されて注目を集めました。
昨年度当会で開催した「ZOOM展示会」でもクリニコさんにプレゼンをお願いしました。実はその時に自分はダマを作ってしまい失敗しました。
この新商品「つるりんこシュワシュワ」は炭酸飲料専用として改良された商品です。

昨年までは350mlのペットボトル入りコーラに「つるりんこパワフル」2袋分が必要で、粉の量が多いためにボトルのキャップを閉めてからの攪拌が難しかったと思います。また、とろみが安定するまで冷蔵庫で1晩寝かせる必要がありました。

新商品「つるりんこシュワシュワ」は1袋でOKです。
作り方が簡単で、ダマになりにくくなり、さらに、冷蔵庫で寝かせる時間は3時間で大丈夫になりました。
3時間後に試飲してみました。トロミの粘度は中間のとろみの範囲ではないかと思いました、嚥下後の咽頭に残る感じも少なく、良いとろみだと思いました。コーラの味と炭酸の刺激が強くて大変良好でした。
そのまま24時間冷蔵庫に寝かせた後に試飲したところ、とろみの粘度や、風味や炭酸の刺激の強さは同様に感じました。


当会栄養チームメンバーも試飲して大変好評ですので、ぜひ試してみてください。

(感想・意見担当:横浜嚥下研究会事務局桑原昌巳)

<会社名>東洋水産株式会社

<商品名>
やわらかソース焼そば(野菜入り)

<商品の特徴>
業務用の冷凍食品です。

<配布チラシ情報等>
          表紙のリンク、 裏面のリンク

チラシ表面
チラシ裏面

<事務局の感想・意見>
焼そばの大手メーカの「マルちゃん」の東洋水産さんが展示をされておりました。
業務用冷凍焼そばをやわらかく加工された新商品を展示されておりましたので、当会栄養チームメンバーと一緒に試食させていただきました。
味は美味しくて普通のマルちゃんの焼そばですが、麺が柔らかく食べやすいと思いました。特に驚いたのは野菜の硬さも麺と同等に仕上げてありました。
麺も長時間煮てくたくたになった柔らかさではなく、柔らかさがちょうどよく感じました。
また、麺の長さも通常よりも短くカットしてありました。

東洋水産さんの島村先生が学会のポスター発表(P2-6: 介護食向けの焼そばの物性と官能評価)で研究結果を報告されており、質の高い開発を行われているものと思います。

(感想・意見担当:横浜嚥下研究会事務局桑原昌巳)


<会社名>株式会社WinWin

<商品名>
パタカせんべい

<商品の特徴>
世界初の「咀嚼機能判定スナック」で、「30回噛んで、飲み込めれば健康なお口です。」という咀嚼の機能を判定できるように、一枚一枚を同じ硬さと大きさに調整し、嚥下につなげるのに必要な咀嚼力を判定できるように作られています。

<配布チラシ情報等>
商品ページリンク

<栄養チームメンバーの感想・意見>
「パタカせんべい」は咀嚼力を判定するおせんべいです。
物性的には赤ちゃんせんべいに近く、一般のおせんべいよりも、咀嚼力が弱くても食べられて、唾液でまとまって食べられます。
ちょうどよい薄塩味で、味は大人向けです。
手に取れる、ほど良い大きさで、パリッとする、ほど良い厚さのせんべいです。
私は5回モグモグで飲み込んでしまいまったほど、美味しいおせんべいです。

(感想・意見担当:横浜嚥下研究会栄養チーム森田千雅子)


<会社名>ツルヤ化成工業株式会社

<商品名>
「トロミレンジャー」

<商品の特徴>
高品質のとろみ剤を、メーカー直販で低価格で直接届けるという商品です。
販売単位は1kg袋10袋の1ケース単位での販売で、流通経費を圧縮することで低価格を実現しているそうです。

<配布チラシ情報等>
          チラシ表紙のリンク、   チラシ裏面(FAX)のリンク

表紙
裏面(FAX)

<事務局の感想・意見>
現在日本で生産されているとろみ剤の大部分は、原料の「キサンタンガム」を輸入し、デキストリンと混ぜて「造粒」という加工を行っております。各社各種類のとろみ剤は、「造粒」の技術が最大のポイントではないかと思います。
ツルヤ化成工業さんは、この造粒加工や包装を受託しているメーカーさんです。
最近の原料価格高騰円安により、とろみ剤の原価は高騰していると言われています。
メーカー直販で流通・販売経費を圧縮することで低価格を実現するという新しいコンセプトだと思います。
そのため、発注単位が1kg袋10袋となりますので、とろみ剤を大量に使う病院・施設向けの商品となります。
病院施設でのコストダウンの新しい方法として注目されると思いました。

(感想・意見担当:横浜嚥下研究会事務局桑原昌巳)

<会社名>株式会社ベテル

<商品名>
光る歯ブラシ「ピカスポ」、光るスポンジブラシ「ピカスポ」

<商品の特徴>
先端が光かり、口腔を明るく照らす。

<配布チラシ情報等>
商品情報ページのリンク

<事務局の感想・意見>
ポリカーボネイト製の柄の部分全体が光り無影照明となりますので、口腔内に影ができません。

実は当会では2019年の新潟の学会のポスター発表(P7-8)で、同様にポリカーボネイト製の柄が光る口腔内照明器具の「ピカバー」についてその有用性を発表しておりましたが、あくまでも照明器具でした。
今回展示会場で見つけた「ピカスポ」は、歯ブラシの柄とスポンジブラシの柄がポリカーボネイト製で全体的に光りますので、無影照明付きの「歯ブラシ」と「スポンジブラシ」です。

早速、訪問看護の現場で使用してもらいました。訪問看護師による口腔ケアの時に、あまりお口を開けていただけない在宅の患者さんで、口腔内が見えない為に、患者さんの娘さんにライトを持ってもらい、口腔内を一生懸命に照らしてもらっていたのですが、「ピカスポ」を使用してみると圧倒的に口腔内が明るく見えるようになり、口腔ケアが楽になりました。
ご家族は大変感動され、ご家族が実施する口腔ケア用に「ピカスポ」をすぐに購入された。とのことでした。
さらに、訪問看護師さんご自身も2歳のお子さんがいるので、自分でも購入したいとのことでした。

口腔内が圧倒的に明るく見える商品です。口腔ケアを行う方に試していただければと思います。

(感想・意見担当:横浜嚥下研究会事務局桑原昌巳、協力:看護師チーム)

<会社名>ギフモ株式会社

<商品名>
DeliSofter (デリソフター)

<商品の特徴>
美味しさも見た目もそのままに、やわらかくできるから。
家族みんなが笑顔になる調理器 “DeliSofter”

<配布チラシ情報等>

<事務局の感想・意見>
・当会栄養チームメンバーが展示会場で「鶏肉」と「野菜」を試食しました。「鶏肉」の見た目は常食と同じで大変美味しそうに見えます。試食した物性は柔らかくて嚥下調整食学会分類2021のコード4に該当すると思われました。「野菜」は舌と口蓋でつぶせると感じられましたので、嚥下調整食学会分類2021のコード3に該当すると思われました。
おいしくて見た目の良い介護食」を作る用途に向いているものと思われます。
在宅用途だけでなく、高齢者施設での導入実績が多いと伺いました。下処理してセットしたら自動調理が可能ですので、少人数の個別対応用途には大変便利ではないかと思われます。

・加熱温度の「120℃」はレトルト商品の殺菌加熱と同じ温度で、加熱蒸気を食材に直接あてる「蒸し調理」です。食材の中心部まで加熱蒸気を通すために穴を開ける組み合わせ(調理システム)が、柔らかく調理するのが難しい食肉などの食材でも柔らかく加工できる秘密ではないかと思いました。

※9月24日 (日本摂食嚥下リハビリテーション学会当日) 時点の情報です。

(感想・意見担当:横浜嚥下研究会事務局桑原昌巳)

久しぶりに学会展示会場に参加できて、色々な新商品を発見できました。皆様のご参考になりましたら幸いです。  (記事担当:事務局桑原昌巳)

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